PrEP(プレップ:Pre-Exposure Prophylaxis)は、HIVに感染していない人があらかじめお薬を服用し、感染リスクを大幅に下げる予防法です。
日本ではまだ普及段階にあり、保険適用外で高額なため、個人輸入を選ぶ人も増えています。しかし、「安く手に入る」反面、リスクも伴うのが実情です。本記事では、PrEPの基礎知識から、個人輸入サイトを使って購入する際の注意点、リスク回避のための代替手段まで詳しく解説します。
PrEPに使用される薬は大きく2つの系統に分けられます。
1つ目はツルバダ系(TDF+FTC)です。豊富な臨床エビデンスがあり、2024年には日本でも予防目的での使用が正式に承認されました(ただし、保険適用外のため自己負担)。ただし、副作用として腎機能低下や骨密度への影響が懸念されており、価格も比較的高いのが難点とされます。
2つ目はデシコビ系(TAF+FTC)です。ツルバダ系に比べて腎機能や骨密度への影響が少ないとされ、より安全性を意識した設計となっています。さらに、ツルバダより価格が安価なため、PrEPで最も人気の高いお薬です。ただし、日本では予防目的での承認が得られておらず、医薬品副作用制度の適用外となっています。
日本国内でPrEPを入手する方法は主に以下の3つです。
PrEPを個人輸入で手に入れる最大のメリットは、なんといってもそのコストパフォーマンスです。国内で処方を受ける場合と比べて、月額費用を約半分以下に抑えられるケースも少なくありません。
通院や診察の手間がなく、インターネットから簡単に注文が完了するため、忙しい人や地方在住の方にとっては大きな利点です。処方箋も不要で、気軽に始められる点も魅力の一つです。
人に相談しにくいような治療でも、医薬品を自分で自由に選んで手に入れることができます。
まず挙げられるのが品質管理の不透明さです。多くの場合、在庫は海外メーカーや卸業者の手に委ねられており、日本国内のような厳格な温度・衛生管理がなされていない可能性があります。輸送中に高温多湿な環境にさらされることもあり、品質劣化のリスクは否定できません。
また、偽薬の混入リスクもゼロではありません。大手代行業者では第三者機関による成分検査を謳っている業者も多い一方で、偽造品の報告も発生しています。実際に、ED治療薬を個人輸入したケースでは、その約4割が偽造品だったという調査報告も存在します(出典)。
加えて、代行業者とのトラブルも報告されています。商品が届かない、関税の問題で返送される、決済がうまくいかないといった事例があり、厚生労働省も注意喚起を行っています。
最後に、服用後の健康管理が自己責任となる点も忘れてはいけません。PrEPは服用前にHIVの陰性確認やB型肝炎の陰性チェックが必須ですし、服用中も3か月ごとの定期検診が推奨されています。これらを自分で手配・管理する必要があるため、高いレベルの医薬品リテラシーと取り組みが求められます。
オオサカ堂は1997年に開設された老舗の個人輸入代行サイトで、20年以上にわたって運営されており、日本語対応のサポート体制も整っています。初心者でも使いやすく、英語が苦手な方でも支障なく利用することができます。
PrEP関連では、以下のようなジェネリック薬を取り扱っています(25年6月時点)。
支払い方法はクレジットカード・銀行振込・コンビニ払いに対応していますが、過去にはクレジットカードが使えない、決済エラーが出るといったトラブルの報告もあり、注意が必要です。
発送方法は国際書留などが選べ、国内処方と比べると日数はかかるものの、比較的早い配送にも対応しています。
ただし、オオサカ堂はあくまで医薬品輸入の「手続きを仲介」する立場。製薬メーカーそのものではありませんので、どれだけ信頼性が高いとされているサイトであっても、個人輸入に伴うリスク(偽薬や品質問題、配送トラブルなど)がゼロになることはありません。あくまで自己責任の範囲であることを理解したうえで利用することが求められます。
オオサカ堂は手軽にPrEPを個人輸入できる便利な手段ですが、利用にあたっては以下の点をしっかり確認しておきましょう。
商品選びの際は、成分分析証明があるか、評判やレビューを確認することが重要です。それでも、完全に安全とは言い切れません。万一、異常(色・形状・臭いなど)を感じたら服用を中止しましょう。
薬機法により、一度に輸入できる上限が定まっていることがあります。個人使用目的の範疇であるとみなされる量を超えてしまうと税関で没収されるリスクがあります。
課税対象額が1万円を超えると、輸入消費税や通関料が発生する可能性があります。思わぬ出費になるため、事前に把握しておきましょう。
個人輸入はクーリングオフ制度の対象外です。商品未着や配送トラブルがあっても補償されないことがあるため、リスクを理解して利用する必要があります。
PrEPを始める前にはHIVに感染していないこと、腎機能に問題がないことを確認する検査が必要です。また、服用中も3ヶ月ごとの定期検診が推奨されています。こうしたリスクを踏まえ、「自己判断や管理に自信がない」「安全を最優先にしたい」という方は、オンライン診療の利用を検討するのが賢明です。
このように、個人輸入はコスト面で魅力的ですが、「品質が不安」「自己管理に自信がない」という方にとっては、必ずしも最適な手段とは言えません。そんなとき、PrEPをより安全に、かつ負担を抑えて入手できる方法として人気が高まっているのがオンライン診療です。
オンライン診療は、スマホやパソコンから診察を受け、処方から配送までが一括で完了します。実績あるクリニックを選べば、安心感とコストパフォーマンスの両立が可能です。
多くのオンライン診療サービスは、従来の対面クリニックよりも運営コストが抑えられているため、診療費や薬代が安価に設定されています。料金体系も明確で、後から追加請求される心配が少ないのが特徴です。
自宅にいながら診察が完了し、薬も郵送で届くため、忙しい方や地方在住の方でも利用しやすいのが魅力です。
「オンラインだと適当な診察になるのでは?」という不安の声もありますが、実績のあるオンラインクリニックでは、専門の医師が丁寧に対応しています。24時間チャット相談を開放しているサービスも多く、治療中の副作用や疑問にも丁寧に対応してくれるため、対面診療と遜色ない安心感が得られます。
コストと安全性のバランスを重視するなら、オンライン診療は非常に有力な選択肢と言えるでしょう。最近は月1万円以下でPrEPが処方されるサービスも増えており、検査・診察もセットで安心です。
具体的な統計値は出ていませんが、大手サイトのPrEP(ジェネリック)は第三者検査で成分一致が確認されている例が多い一方、無名業者では偽薬率が高いとの報告もあります。購入前に「成分分析証明」や利用者レビュー、検査レポートを必ず確認しましょう。箱・錠剤の刻印・ロット番号が正規品と一致しない場合は服用を中止してください。
例えば個人使用とみなされる量を超える数量や禁止成分を含む場合は没収・返送されることがあります。没収自体に罰則はありませんが、課税価格が高いと追徴課税や通関手数料が発生するケースも。
個人輸入品は、医薬品副作用被害救済制度の適用対象外です。異変を感じたら直ちに服用を中止し、医療機関で診察を受けましょう。具体的なお薬の購入履歴や使用方法・使った量を医師に伝えると原因特定に役立ちます。
①個人使用を超える数量の輸入 ②第三者への譲渡・転売 ③覚醒剤原料など規制成分を含む薬の輸入——はいずれも薬機法違反にあたります。特に家族・友人にお薬を渡すなどの行為には厳重に注意を。
個人輸入は安価にお薬を購入できる手段の一つですが、品質リスクや自己管理の責任を十分に理解することが必要になってきます。
個人輸入の利用に不安のある方は、信頼できるオンライン診療サービスや対面のクリニックで、直接医師に相談・処方してもらうのがおすすめです。
Actually,はデシコビ(後発薬)を、国内最安値水準で4,980円/月~で処方。
医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。