アキュテイン(イソトレチノイン)によるニキビ治療

2025.1.4
# Acne
アキュテインのイメージ画像

目次

アキュテインとは?

アキュテインは、イソトレチノインを有効成分とする、主に中等症以上のニキビの治療に用いられる錠剤型の医薬品で、その高い効果から「ニキビ治療の切り札」とも称されます。ビタミンA誘導体が皮脂腺を収縮させ、過剰な皮脂分泌を抑えることで、ニキビを根本から改善します。抗炎症作用や、アクネ菌の抗菌作用もあります。
※米国ではイソトレチノインは保険適用のお薬ですが、日本では厚生労働省の承認が下りていないため、保険適用外となります。

アキュテインの作用・効果

難治性ニキビの治療薬として知られているアキュテインは、イソトレチノインというビタミンAの一種であり、主には「皮脂腺を退縮させる作用」「肌のターンオーバーを促進する作用」「アクネ菌に対する抗菌作用」があります。

作用・効果①

作用機序

皮脂腺を退縮させる作用(皮脂腺そのもののサイズを縮小させる)

期待される効果

過剰な皮脂分泌が抑制される

作用・効果②

作用機序

肌のターンオーバーを促進する作用

期待される効果

皮膚の角化(角質が蓄積すること)が抑制され、毛穴詰まりが改善される

作用・効果③

作用機序

アクネ菌を抗菌する作用

期待される効果

肌の炎症・赤みが改善される
※ただし治療初期の数週間は一時的に赤みが増すことが多い

上記3つの効果により、すでにできているニキビを治すだけでなく、新しくできるニキビも予防します。

✨ 治療後の4年間のニキビ再発率は、12~20歳の場合3.9%、21~39歳の場合5.9%と非常に低い水準です。(2006年の臨床研究結果より)

アキュテインの服用方法

服用量

服用量は、症状の軽い方は1日20mg、症状の重い方は1日1~4錠で調整します(体重等により変動します)。

内服期間

内服期間は患者様の症状によって異なりますが、通常 16〜24 週間(4ヶ月~6ヶ月)服用します。副作用のリスクが高まるため、最長7~8ヶ月程度で一旦お薬の服用を止めてください。

服用
タイミング

アキュテイン(イソトレチノイン)は食後に服用してください。朝昼夕で時間は問いません。水よりも脂肪に溶けやすい成分のため、食後に服用すると吸収がよくなります。

服用頻度

研究によると間欠投与(1日おきに服用するなど、断続的に服用すること)は推奨されていません。血中の成分量を一定に保つためにも、毎日服用することが推奨されます。

再開方法

内服期間終了後もニキビが完治しない場合は、最低2ヶ月間の休薬期間を取ってから、また服用を再開するようにしてください。

アキュテインの副作用

アキュテイン(イソトレチノイン)は、その高い治療効果の一方で、副作用が気になる方も多い治療薬です。適切な使い方をすれば、多くの副作用は軽減できるため、まずはどのようなリスクがあるのか、正しく理解することが重要です。

よくある副作用

乾燥症状(皮膚・唇・粘膜)

アキュテイン治療中に最も多く報告されるのが、乾燥による肌のつっぱりや唇のひび割れです。鼻血やドライアイが生じることもありますが、保湿ケアや目薬の使用で乗り切ることが可能です。

💡 ワンポイント: ワセリンや高保湿クリームを使用し、乾燥を感じたらすぐに対処を。

治療初期のニキビの悪化

治療開始から数週間は、ニキビが一時的に悪化することがあります。これは薬が効き始めた証拠で、多くの場合、悪化してから2~4週間で改善します。

まれに見られる副作用

頭痛・吐き気

イソトレチノイン服用によって、頭痛や吐き気が生じるケースがあります。ビタミンAサプリメントやテトラサイクリン系の抗生物質と併用しないことでリスクを軽減できます。

💡 ワンポイント: ビタミンAサプリメントやテトラサイクリン系の抗生物質は、アキュテイン(イソトレチノイン)と併用できません。

肝機能の悪化

脂質代謝に影響を与えることで、肝臓に負担をかける場合があります。

その他

その他の副作用はごくまれですが、発生した場合は速やかに医師に相談してください。

アキュテインの注意事項

アキュテイン(イソトレチノイン)は高い効果を発揮する一方で、正しい使い方を守ることが欠かせません。以下の注意事項を確認して、安全に治療を進めましょう。

1. 妊娠中・授乳中の服用は禁止

アキュテインは胎児に重大な影響を与える可能性があるため、妊娠中や妊娠の可能性がある場合は絶対に服用できません。また、授乳中の方も使用を避けてください。

💡 ワンポイント: 妊娠の可能性がある方は、服用開始前に必ず医師に相談を。

3. 紫外線対策を徹底

治療中の肌は紫外線に対して非常に敏感です。SPF30以上の日焼け止めを使用し、外出時には日傘や帽子を活用してください。また、治療終了後も1ヶ月間は紫外線を避けるよう心がけましょう。

4. 併用NGの薬・サプリメント

一部の薬やサプリメントは、副作用リスクを高めるため、併用を避けてください。

5. 他の施術はタイミングを調整

皮膚に刺激を与える施術(医療脱毛、ダーマペン、ピーリングなど)は治療期間中は避け、終了後にタイミングをずらして行いましょう。肌の敏感な状態を考慮することが大切です。

アキュテインを服用できない方

アキュテインはどこで売ってる?実はもう入手できない!?

実は、アキュテインという商品自体は現在入手不可能です。その背景には、ニキビ治療薬の歴史に隠された興味深いエピソードがあります。

アキュテインが姿を消した理由

1982年、スイスの大手製薬会社ロシュが、イソトレチノインを成分とした初のニキビ治療薬「アキュテイン」を販売開始。ニキビ治療薬の革命として瞬く間に人気を集めました。
しかし、1980年代、イソトレチノインが妊娠女性に流産や先天異常のリスクを引き起こすことが分かり、多数の訴訟が発生。これにより、2010年にロシュはアキュテイン事業から撤退しました。

それでもイソトレチノインの人気は継続

訴訟増加によって製造が中止された「アキュテイン」でしたが、イソトレチノインという成分そのものの人気は途絶えませんでした。なぜかというと、ニキビにあまりに効くからです。
その後、アキュテインと同じ成分を持つジェネリック(後発薬)として、いくつもの製薬会社がイソトレチノインを販売開始しており現在に至ります。
アキュテインが市場から姿を消した後も、イソトレチノインほどのニキビ改善効果がある薬は他になく、多くの患者や医師から支持され続けています。

イソトレチノインの料金

Actuallyのイソトレチノイン治療では、現在「アクネトレント」という製品を採用し、主要なオンライン診療サービスの中で国内最安値の料金プランを提供しています(2025年1月現在)。以下の料金プランをご覧ください。

まとめ

この記事では、アキュテイン(イソトレチノイン)の効果、副作用、注意事項、料金プランについて詳しくご紹介しました。ニキビ治療の「切り札」として高い効果を発揮する一方、適切な使い方が求められる薬です。安心して治療を進めるために、この記事を参考に正しい知識を持って活用してください。

出典

https://nw-derm.com/ups-and-downs-of-accutane/
https://irp.nih.gov/catalyst/30/1/from-the-annals-of-nih-history
https://www.millerandzois.com/products-liability/drugs/other-drug-cases/accutane/
https://www.jaad.org/article/s0190-9622(15)02614-6/fulltext
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16546586/

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Author
サービス代表者
乾 陽平
Yohei Inui

医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。