筋トレするとハゲるの？巷の噂について医師が解説！

筋トレするとハゲるというウワサ

筋トレは理想の体づくりや日々の運動不足解消という観点で非常に素晴らしい習慣といえます。最近ではジムに通って筋トレをしているという方も多いのではないでしょうか。しかし、ネットなどでは筋トレが薄毛の原因になるというウワサがあったりします。もし本当なら安心して筋トレが続けられないですよね。今回は「筋トレが薄毛の原因になる」というウワサの真偽について検証していきたいと思います。

結論：筋トレは薄毛の原因にはならない

結論として筋トレが薄毛の原因になることはありません。筋トレをすることと薄毛になることの間に医学的根拠はありません。「筋トレするとハゲる」という噂は根拠のない都市伝説に過ぎないので、筋トレをされている方は安心して筋トレを続けていただいて大丈夫です。

ウワサの誤解と薄毛のメカニズム

ウワサの誤解

ではどうしてこのようなウワサが出回るようになったのでしょうか。それは筋トレをすると男性ホルモンが増加するからだと考えられます。筋トレをすると、テストステロンという男性ホルモンが分泌されます。しかし、薄毛の原因は、テストステロンが変化したDHTという物質です。DHTに変わるには、テストステロンと結びつく受容体が影響しますので、筋トレによるテストステロンの増加が薄毛に直結する訳ではありません。

薄毛のメカニズム

薄毛のメカニズムをもう少し詳しく説明します。男性の身体にさまざまなメリットをもたらすテストステロンですが、5αリダクターゼという酵素と結合すると、薄毛と深い結びつきのあるジヒドロテストステロン（DHT）という別の男性ホルモンに変換されます。DHTはAGA（男性型脱毛症）などの原因物質であり、「薄毛ホルモン」と呼ばれることもあります。

テストステロンが5αリダクターゼと結合してできたDHTが毛根に作用し、毛母細胞の増殖が抑制されることで髪の成長期が短縮し、薄毛の原因となります。

むしろ筋トレは薄毛予防・改善に効果的

筋トレは薄毛の予防や改善に効果的であるので積極的に行いたいものであるといえます。薄毛の原因が頭皮に十分な栄養が行き渡っていないことである場合、運動によって血流が促進されることで薄毛が改善する場合があります。他にも運動をすることで薄毛の原因となるストレスを減らすことができたり、日々の生活に運動を取り入れることで睡眠や食事に対する意識も高まり、生活習慣が改善されることで薄毛が改善される可能性があります。

筋トレをする上で気をつけたいこと

筋トレをする上で一点気をつけてもらいたいのが、筋トレ後はきちんとかいた汗を流すということです。筋トレが終わった後は筋トレで書いた汗をシャワーで流したりしっかりタオルで拭き取りましょう。頭皮は非常に汗や皮脂の分泌が多い部位です。汗や皮脂をそのままにしておくと菌が繁殖したり、フケが発生する原因となるからです。

薄毛が気になる方は他の原因を探してみましょう

本記事を読んでくださっている方は、薄毛が気になり始めて筋トレのせいかもと思われている方もいらっしゃると思います。しかし筋トレが薄毛の原因になっている可能性は低く、他の要因(遺伝や食生活、ストレスなど)が原因となっている場合が多いです。一度ご自身の生活で他に心当たりがないか振り返ってみましょう。ご自身で判断がつかない場合、クリニックを受診すると薄毛のタイプから原因を特定してもらえますよ。
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また特に男性の場合多くの方が遺伝などが原因のAGAを発症している可能性が高いです。AGAには医学的に効果が認められた治療薬が存在し、月額数千円からトライすることができます。薄毛が気になる方で、セルフケアではあまり改善が見られない方は、一度治療薬の服用を検討されてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

いかがだったでしょうか。筋トレをされている方は、筋トレ後の汗のケアに気をつけて是非続けてみてください。薄毛が気になっている方は筋トレ以外に原因がないか探してみましょう。ご自身での判断が難しい場合は一度クリニックなどで相談しましょう。

Author

乾 陽平

Yohei Inui

医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。