リベルサスの効果と副作用を解説｜ダイエットで痩せる仕組み・危険性・痩せない原因

リベルサスとは？

最近、ダイエット薬として注目を集めているリベルサス（Rybelsus）をご存じですか？
リベルサスは、GLP-1受容体作動薬のひとつでありながら、飲み薬タイプ（経口タイプ）として使える初めてのGLP-1薬です。注射に抵抗がある方でも続けやすく、日常的な体重管理に取り入れやすいのが特徴です。
主成分のセマグルチド（semaglutide）は、体内のGLP-1というホルモンの働きを模倣し、

• 脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑える
• 胃の動きをゆっくりにして満腹感を持続させる

という作用があります。その結果、自然に食べすぎを防ぎ、摂取カロリーを抑えられるため、無理な制限をしなくても体重減少が期待できるのです。
つまり、無理な食事制限やきつい運動をしなくても、いつもの生活の中で少しずつ、でも確実に痩せやすくなるのがリベルサスの魅力です。

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リベルサスの効能・効果は？

リベルサスには、大きく分けて3つの効果があります。
1つ目は、脳の「食欲中枢」に働きかけて、自然と食欲をおさえる作用です。無理に我慢しなくても「なんとなくお腹がすかない」という感覚になり、食事の量が減りやすくなります。
2つ目は、胃の動きをゆっくりにして、満腹感を長くキープすること。少ない量でも「お腹いっぱい」と感じやすくなるので、食べすぎを防ぎやすくなります。
3つ目は、脂肪の分解を促進する作用です。リベルサスの成分であるGLP-1は、体内で脂肪を分解してエネルギーとして使いやすくする働きがあり、脂肪を効率よく燃焼させる作用があります。

リベルサスの有効成分（セマグルチド）を用いた950人の参加者を対象とした臨床試験では、26週間投与した患者の平均体重減少量が4.4kgという高い改善率が確認されています。

リベルサスの効果が出始めるまでの期間は？

「リベルサスって、どのくらい続ければ効果が出るの？」そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。
GLP-1系のダイエット注射は、少なくとも２～３ヶ月以上継続することで、効果を実感しやすいとされています。
使い続けるうちに、少しずつ食欲が落ち着いてきたり、体重が緩やかに減っていくなど、体の変化を感じやすくなります。
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治療期間の目安は、次のとおりです：

• リベルサス／オゼンピック：最長15ヶ月程度
• マンジャロ：最長16ヶ月程度
• サクセンダ：最長13ヶ月程度

これらの薬には、現時点で明確な最長使用期間の制限はありませんが、臨床試験などで上記の期間までの使用が安全であることが確認されています。
そのため、多くのクリニックでは16ヶ月前後を目安に一度休薬することが推奨されています。

効果が出たら、すぐやめてもいいの？

ここで注意したいのが、「使ってすぐに十分痩せたから、もうやめても大丈夫かな？」と考えてしまうことです。
GLP-1の薬を急にやめると、抑えられていた食欲が一気に戻ってしまい、リバウンドのリスクが高まることがあります。せっかくの努力が無駄になってしまうのは避けたいですよね。
そのため、「とりあえず3ヶ月は続けてみよう」という気持ちで取り組むと良いでしょう。体調やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら無理なく続けていくことが大切です。

リベルサスの服用方法

使用量

リベルサスは3mgから投与を開始し、４週間後に7mgに増量します。さらに４週間以上続けても効果が薄ければ14mgへ増量します。最大量は14mgです。

リベルサスの効果を最大限に引き出す3つのルール

1. 起床後すぐ、空腹時に服用する

リベルサスは、胃の中が空の状態で服用することで、成分の吸収が最も効果的に行われます。そのため、朝起きてすぐのタイミングでの服用が推奨されています。

2. コップ半分（約120ml）の水で服用する

リベルサスは、特定の吸収促進剤（SNAC）を含んでおり、適切な水の量で服用することで効果的に吸収されます。多すぎる水や他の飲み物（コーヒー、お茶、ジュースなど）での服用は避け、約120mlの水で服用してください。

3. 服用後、少なくとも30分間は飲食を控える

服用後すぐに飲食をすると、リベルサスの吸収が妨げられる可能性があります。そのため、服用後は30分間、飲食や他の薬の服用を控えることが推奨されています。

リベルサスを服用しても痩せない場合は？

「リベルサスを使っているのに、思うように痩せない…」そんなときは、いくつかの原因が考えられます。

まずひとつは、正しい使い方ができていないケースです。使い方に関して細かい注意事項があり、間違った使い方の例として、
（例1）食後など空腹時以外に服用する。
（例2）食事の直前に服用する。
（例3）適切な水の量(120ml)よりも過度に多い水の量で服用する。
などがあげられ、使い方が原因で効果が得られない場合があります。

次に考えられるのが、食生活の見直しができていないことです。リベルサスは食欲を抑える薬ですが、胃が小さくなるわけではありません。そのため、食べる量や内容を意識することがとても大切です。食欲が落ち着いていても、高カロリーなものを食べ続けていれば、体重はなかなか減りません。

また、体質による個人差も考えられます。GLP-1の働きに対する感受性には個人差があり、効果が出るまでに時間がかかる人もいます。

さらに、リベルサスの用量が十分でない可能性もあります。
リベルサスには、3mg、7mg、14mgの用量の種類があります。リベルサスはまず 3mg錠を4週間（約1か月）服用して体を慣らし、その後 7mg錠に増量するのが一般的なステップです。
3mgは副作用（吐き気・膨満感など）に順応するための“慣らし量”であり、ダイエット効果を実感するには少なくとも7mgが必要になることが多いとされています。ただし自己判断での増量は副作用リスクを高めるため、必ず処方医と相談しながら段階的に調整しましょう。

禁忌と副作用

リベルサスは、食欲を自然に抑え、無理のないダイエットをサポートしてくれる経口薬です。ただし医薬品である以上、副作用や使用できないケース（禁忌）もあります。安全に使うために、事前にしっかり確認しておきましょう。

よく見られる副作用

吐き気・消化器の不調（便秘・下痢など）

リベルサスで最も多い副作用は、胃腸の不快感です。使用初期に「ムカムカする」「お腹の調子が悪い」と感じる方もいますが、多くは数日〜数週間で自然と落ち着きます。ただし、症状が長引く場合は医師に相談しましょう。

頭痛・めまい

軽度なものであることが多く、時間の経過とともに改善する傾向があります。気になる場合は、無理をせず安静に。

（まれに発生）低血糖

とくに糖尿病の方や、他の血糖降下薬を使っている方は要注意。冷や汗・空腹感・ふるえ・動悸などの症状が出た場合は、ブドウ糖を含む飲み物や飴などを摂取して安静に。改善しない場合は、医療機関を受診してください。

注意が必要な重篤な副作用（ごくまれに発生）

リベルサスは比較的安全性の高い薬とされていますが、ごくまれに重篤な症状が起こることもあります。以下のような症状があれば、すぐに医師の診察を受けてください。

急性すい炎

背中やみぞおちの激しい痛み、嘔吐を伴う激しい腹痛は急性すい炎の可能性があります。

胆嚢炎・胆管炎

上腹部の鈍痛や不快感が続く場合は、胆のうや胆管に炎症が起きている可能性があります。

リベルサスを使用できない方（禁忌）

リベルサスは多くの人に効果が期待できる薬ですが、体質や持病によっては使用が適さない場合があります。以下に該当する方は、安全面からリベルサスを使用できません。

• 妊娠中・授乳中、または妊娠予定のある方
• 未成年の方
• 他のGLP-1薬やインスリンを使用中の方／1型糖尿病の方
• 甲状腺がんの既往や家族歴のある方、甲状腺疾患をお持ちの方
• 重度の感染症にかかっている方
• 腎機能または肝機能に障害がある方
• 膵炎・腸閉塞・胃潰瘍・炎症性腸疾患などの消化器疾患がある方
• 胆石症や胆嚢炎の既往歴がある方
• BMIが19未満、または摂食障害傾向のある方

安心・安全なダイエットのために

リベルサスは、正しく使えばダイエットの強い味方になりますが、副作用や体への影響にきちんと目を向けることも大切です。
少しでも体調に不安を感じたときや、使用を検討している段階であっても、医師としっかり相談したうえでスタートすることをおすすめします。
「痩せたいけれど、安心安全に治療を進めたい」という方は、オンライン診療で丁寧にサポートしてくれるクリニックを選ぶのも安心です。

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Author

乾 陽平

Yohei Inui

医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。